「大きくて赤いカバン」と「赤くて大きなカバン」。日本語だとどっちでも同じ意味ですね。
なんなら、その前や真ん中に「高くて」とか「やわらかくて」とかいくらでも追加できますよね。
でも、英語ではそうはいかないんです。
「なんで?」とよく聞かれますが、ネイティブは無意識にできてるけど、ルールとして説明できる人は少ないという、厄介な分野です。
形容詞の順番は、英語がキライになりやすいポイントの1つなので、ここで引っかかって英語愛に影響が出ないように、説明していきますよ!!
「big red bag」が正解!
タイトルの「大きくて赤いバッグ」はbig red bagなのか、red big bagなのか。
「big red bag」が正しい英語です。
「red big bag」は文法的に間違いというわけではありません。
通じなくもありません。ただ、ネイティブが聞くと「なんか変だな…」と違和感を覚える表現なんです。
じゃあなぜ「big」が先で「red」が後なのか?ここからが本題です。
英語の形容詞には「並べる順番」がある
英語の形容詞には、実は決まった並び順があります。
表にあるように「意見→大きさ → 新しさ → 形 → 色 → 出身 → 材料」です。
これは、英語にした時の頭文字を取って覚える方法もあるのですが、
生徒さんに「その英語の意味を思い出せなかったら意味ない」と言われました。
たしかに。じゃあ、日本語でいくしかないということで、
「意大新形色出材(いだいしんけいしきしゅつざい)」と呪文を唱えてもらっています。
ひらがなでやると、これも英語の時と同じく、何の頭文字かわからなくなるので漢字がおすすめです。
| 順番 | 種類 | 例 |
|---|---|---|
| ① | 意見・評価 | beautiful, nice, amazing |
| ② | 大きさ | big, small, tiny, huge |
| ③ | 新しさ・年齢 | new, old, young, ancient |
| ④ | 形 | round, square, long |
| ⑤ | 色 | red, blue, green, white |
| ⑥ | 出身・国籍 | Japanese, French, American |
| ⑦ | 材料 | wooden, metal, cotton |
一番最初に来る「意見・評価」というのは、話し手の主観を表す表現です。
「beautiful」「nice」「amazing」は、人によって感じ方が違いますよね。その人だけの意見、というのが、次のポイントになります。
なぜこの順番なのか?ー本質的な内容ほど、名詞の近くに置く!
「なんでこの順番なんですか?」ともよく聞かれるのですが、正直なところ明確な理由は解明されていません。言語学者の間でも諸説あるんです。
ただ、一つの考え方として「名詞に近いものほど、その名詞の本質的な特徴を表す」というのがあります。
先ほどの表で、番号が大きいほど、名詞に近くなりますよね。
そして、「その人だけの感じ方や意見」は、①番でした。つまり、名詞から一番遠いです。
名詞そのものの普遍的な特徴ではなく、その名詞に対して、誰かが感じたことなので、本質的ではないんです。だから、遠くなります。
例えば「大きな木製のテーブル」を考えてみましょう。
「大きなテーブル」は「a big table」になりますが、「big」は、見る人や比較対象によって変わる主観的な特徴ですよね。
「木製のテーブル」は「a wooden table」です。「wooden(木製の)」は、そのテーブルを作っている材料そのものなので、まさに本質です。
なので、「大きな木製のテーブル」はa big wooden tableとなります。
本質的・客観的な情報は名詞の近くに、主観的な情報は遠くに置かれる傾向がある。そう考えると、考え方のコツがわかってきたのではないでしょうか。
3つ以上並べた表現で確認しましょう!
実際の例文を見てみましょう。形容詞は3つ以上並ぶことも珍しくありません。慣れて感覚をつかめたら、こっちのもんです。
① a beautiful small old house
(美しい小さな古い家)
意見 → 大きさ → 新しさ の順
② a long black French coat
(長い黒いフランス製のコート)
形 → 色 → 出身 の順
③ an expensive new Japanese car
(高価な新しい日本車)
意見 → 新しさ → 出身 の順
④ a nice big round wooden table
(素敵な大きくて丸い木製のテーブル)
意見 → 大きさ → 形 → 材料 の順
4つになっても、ルールさえわかっていれば落ち着いて並べ替えられたのではないでしょうか。
ただ、ここまで並べるとちょっとくどい印象になるので、実際の会話では「It’s a nice wooden table. It’s pretty big and round.」みたいに文を分けることが多いかな…とは思います。
並べ替え問題や正誤問題にも要注意
形容詞の順番を問う「並べ替え問題」はよく出ます。
例えばこんな感じ、と形式を知っておけば、ぎょっとせずにすみます。
【問題】次の語を正しい順番に並べ替えなさい。
( old / an / Italian / beautiful / church )
答えは「an beautiful old Italian church」ですね。意見(beautiful)→ 新しさ(old)→ 出身(Italian)の順番でした。
あと、正しいものを選べ」という形式で出ることも多いです。
「a blue Japanese car」と「a Japanese blue car」、どっちが正しいかパッと答えられますか? 正解は「a blue Japanese car」。色 → 出身 の順番ですよ。
違う順番になっていたら違和感を感じ取れるように、例文をたくさん音読しておくといいですよ。
「並び順が違ったら違和感がある」となるまで、例文を暗記がおすすめ
テストでは点を取らなければならないので、頭文字での覚え方をご紹介しましたが、理想は頭の中で「名詞の本質に少しずつ近づくのをイメージしていたら、無意識に正しく並べられていた」ですよね。
この域に到達するには、なかなか時間がかかりますが…今日のポイントのおさらいです。
・形容詞を複数並べるときには決まった順番がある
・基本の順番は「意見 → 大きさ → 新しさ → 形 → 色 → 出身 → 材料」
・「big red bag」が正しく、「red big bag」は不自然
・迷ったら「主観的なものは遠く、客観的なものは名詞の近く」
最初は表を見ながらでOKです。何度も例文を読んでいるうちに、自然と「これ、なんか変だな」と感じられるようになりますよ。


