中学に入ったら必ず手にする英語の単語帳。使い方に悩んだことはありませんか?
「単語帳って、何周すればいいんですか?」と私も生徒からよく聞かれます。ネットで調べると「最低10周!」なんて言う人もいたりして、正直げんなりしますよね。
実際の学習状況を見ていてわかるのは、回数だけにこだわっても効果が出ないことが多い、ということです。これまでの長年の指導経験から、本当に単語が定着する周回の仕方と復習タイミングについてお話しします。
ちなみに、私は今韓国語を勉強し始めました。同じく単語帳と格闘する日々ですが、もちろん、韓国語の単語帳でもこれからお話しする方法はとっても有用です!
目標は「5周」+「忘れかけたタイミングで追加」
単語帳はまず5周を目標にしてください。もっと少ない答えを期待してましたか(笑)?
5周と言っても、がっつり同じ調子で5周ではありません。本気の5周は疲れちゃいますよね。もちろん、ダラダラと5周やっても意味がありません。
大事なのは「周回ごとに目的を変えること」と「復習のタイミング」。この2つを押さえれば、とても効率的に単語の知識は定着します。そう、回数より「やり方」が重要なんです。
周回ごとの目的を変えよう
効果的に学習するためには「毎回同じことをしない」ということが大事です。1周目と5周目で同じことを繰り返しても、脳への刺激が足りないんですよね。
| 周回 | 目的 | やり方 |
|---|---|---|
| 1周目 | 全体把握 | サッと目を通す。知ってる/知らないを仕分ける |
| 2周目 | 意味の暗記 | 知らない単語を中心に、意味を覚える |
| 3周目 | 発音・スペル確認 | 声に出しながら、綴りも意識 |
| 4周目 | 例文チェック | 単語帳の例文を読み、使い方を確認 |
| 5周目 | テスト形式 | 日本語を見て英語が出るか自分でテスト |
1周目は覚えることが目的ではありません。どんな単語をこれから学習するのかな、今の時点で知ってる単語はどれくらいあるかな、をチェックするだけです。かなりハードルが下がったのではないでしょうか。
忘れない復習タイミング「1-3-7-14の法則」
もう1つ大事なのが、いつ復習するか、です。人間の脳は、覚えた直後から急速に忘れていきます。有名な「エビングハウスの忘却曲線」ってやつですね。脳の仕組みのせいなので、忘れても気にしなくていいんですよ!
忘れてしまったら覚えなおす!そのために私がおすすめしているのは「1-3-7-14の法則」です。
新しい単語を覚えたら、1日後→3日後→7日後→14日後に復習するんです。このタイミングで復習すると、忘れかけたところで思い出すことになり、記憶が強化されます。
ちなみに、「忘れかけた時に思い出す」のがポイントで、完全に忘れてからだと効果が薄れます。「あれ、なんだっけ…あ、そうだ!」というギリギリのところで思い出すのが一番脳に定着するんですよ。しかもこの感覚、なんか気持ちよくないですか?そう感じるのは私だけではないはず。
1周にかける時間は短くていい
真面目な生徒さんほど失敗しがちなのが、「1周を完璧にしようとして時間がかかりすぎる」パターンです。これは本当にもったいないです。
1周目はとくにふるいにかけるのが目的なので、1単語10秒程度のイメージです。脳は「繰り返し出会った情報」を重要だと判断しがちです。なので、1回の出会いを濃くするより(1単語に1分かけて10個の単語に対する理解を深めるより)、出会う回数を増やす(1単語10秒で60個の単語を眺める)方が記憶に残ります。
1000語の単語帳でも、1周目なら2〜3時間で終わらせるくらいのスピード感で大丈夫。「全然覚えられてない気がする…」と不安になるかもしれませんが、それでOKです。2周目、3周目と重ねていくうちに定着していきます。
何周やっても定着しにくい単語ってあるんです
「何周やっても覚えられない単語があるんです」というのは、あるあるです。生徒さんたちからよく聞く例を挙げてみましょう。特にこういう単語は要注意です。
① improve / prove
「改善する」と「証明する」。似てるから混乱しがち。
→ im-は「中に」の意味。中から良くする=improve(改善)と覚える。
② affect / effect
どっちも「影響」っぽいけど、affectは動詞で「影響を与える」、effectは名詞で「影響・効果」。
→ 動詞のaffectはActionのA、と覚える。
③ besides / beside
sがつくかどうかで意味が全然違う。
→ besides=「〜に加えて」、beside=「〜のそばに」。sがつくと「さらに追加」。
④ worth / worthy
「価値がある」の使い方がそれぞれ違う。
→ worth+動名詞(worth reading)、worthy of+名詞(worthy of praise)
どうしても、覚えたチェックがつきにくい単語については、単語帳を見るだけでは限界があります。別でノートにまとめておくのがおすすめです。「書く」という作業も記憶する上では、効果を発揮したりしますよ。
5周目で曖昧なまま残さないことが、テストや入試での差につながる
私の経験上、テストや入試で一番差がつくのは「見たことはあるけど正確に意味が出てこない単語」がどれくらい残っているか、です。
たとえば「significant」。なんとなく「大きい」っぽいイメージはあるけど、正確に「重要な・かなりの」という意味までは出てこない…。こういう曖昧な単語を曖昧なまま残していると、長文読解でじわじわ足を引っ張ります。
だからこそ、5周目の「テスト形式」が大事。日本語を見てパッと英語が出るか、逆に英語を見て正確な日本語が出るか。ここを最後に詰めるかどうかで、本番の得点が変わってきます。
共通テストの語彙レベルは年々上がっている印象があります。「単語帳に載ってない単語が出た!」という声も生徒さんからは聞こえてきました。だからこそ、まず1冊を完璧にして土台を作ることが大事なんですよね。
回数よりもやり方の工夫で、単語力はぐっとアップする!
「単語が覚えられない」原因のほとんどは「回数が足りない」ではなく「やり方が単調」です。周回ごとに目的を変えて、忘れかけたタイミングで復習する。これだけで定着率はグッと上がります。
・まず5周を目標に、周回ごとに目的を変える
・1周はスピード重視。完璧を求めない
・復習は「1-3-7-14」のタイミングで
・紛らわしい単語は別でまとめる
・5周目はテスト形式で仕上げる
単語帳を何冊もやる前に、まず1冊を「使い倒す」。これが単語力を伸ばす一番の近道ですよ。


