英語の勉強が進むと、日本語と英語は単純に1対1では対応していない、ということに気づいてきますよね。そうなると出てくる疑問が「和訳するときって意訳していいんですか?」「直訳じゃないと減点されますか?」というものです。
英語の意味はわかるけど、そのまま直訳すると日本語が変になる。でも、意訳すると、「この文法、ちゃんとわかってますよ!」っていうアピールができてるのか不安になる。迷いますよね。今日はこの疑問に、採点する側の視点も交えながらお答えしていきます。
答えは「原則直訳、必要なときだけ意訳」
結論から言ってしまうと、定期テストでは「直訳ベース」が基本です。
ただし、直訳すると日本語として不自然になる場合は、意訳してOKです。この例外においては、むしろ、意訳しないと減点されることもあります。
つまり、一律にどちらにすべき、と決まっているわけではなく、「直訳で通じるなら直訳、通じないなら意訳」というのが正しい考え方です。
なぜ直訳ベースがいいのか
理由はシンプルで、採点者が「この生徒は文法・構文を理解しているか」を確認したいからなんです。
たとえば、学校の先生は「関係代名詞を正しく理解しているか」「分詞構文の意味が取れているか」をチェックしています。そのとき、あまりにも自由に意訳されてしまうと、理解度が判断できないんですよね。
私が生徒さんに伝える時によく言うのは「直訳は答え合わせ、意訳は仕上げ」ということ。
まず直訳で構文を正確に取る。そのあと、日本語として変なところだけ整える。この順番が大事なんです。
直訳と意訳、どこが違う?
具体的にどれくらい変わってくるのか、例を見てみましょう。
| 英文 | 直訳 | 意訳 |
|---|---|---|
| I have a cold. | 私は風邪を持っています。 | 私は風邪をひいています。 |
| It is kind of you to help me. | 私を助けてくれるとはあなたは親切です。 | 手伝ってくれてありがとう。/親切に手伝ってくれましたね。 |
| She made me wait for an hour. | 彼女は私を1時間待たせた。 | (この場合、直訳でOK) |
1つ目の「have a cold」。直訳の「風邪を持っています」では日本語として変ですよね。こういうときは意訳が必要です。
2つ目の「It is kind of you to~」。これは構文として超重要なので、直訳寄りの「あなたは親切です」という要素を残した方が安全です。「ありがとう」だけだと、構文理解が伝わらない可能性があります。
3つ目のように、直訳で自然な日本語になるなら、わざわざ意訳する必要はありません。
テストでよく引っかかるパターン
テストを作る側は引っ掛けようとしてきます。特に多いのがこの3つです。
① 無生物主語の文
× そのニュースは彼女を幸せにした。(直訳すぎ)
○ そのニュースを聞いて、彼女は幸せになった。(自然な意訳)
英語では「ニュースが彼女を幸せにした」と言いますが、日本語ではこういう言い方をあまりしません。ここは意訳した方がいい典型例です。
② 関係代名詞の訳し方
△ 昨日私が買ったところのその本は面白い。(「ところの」は古い)
○ 昨日私が買った本は面白い。
whichを「ところの」と訳す人がたまにいますが、現代の日本語としては不自然なので、シンプルに訳しましょう。
③ 比較表現
○ 彼は私より背が高い。
× 彼は私がそうであるより背が高い。(直訳しすぎ)
「than I am」をそのまま訳すと変な日本語になります。比較の「than」以下は、意味が伝われば簡潔に訳してOKです。
実際に訳して感覚をつかんでみて!
では、実際に訳してみましょう。ついこの前、生徒さんに「この文、どこまで意訳していいですか?」と聞かれたものも含めています。
【例文1】
解答例:この川は泳ぐのに危険だ。/この川で泳ぐのは危険だ。
どちらでも正解。「泳ぐには危険だ」でもOKです。
【例文2】
解答例:私はその問題を解くのは難しいとわかった。
「find O C」の構文がポイント。「it」が仮目的語だと示すために、構文に沿った訳にしておくのが無難です。
【例文3】
解答例:この計画についてどう思いますか。
「What do you think of~?」は「~についてどう思いますか」がお決まりの訳。これはセットで覚えてしまいましょう。
【例文4】
解答例:台風のせいで私たちは外出できなかった。
無生物主語ですね。「台風が私たちが外出することを妨げた」だと不自然なので、ここは意訳します。
テスト・入試で点数につなげるためのポイント
私の経験上、ここをおさえれば点数につながる、というポイントをお伝えします。
1.構文・文法の「キモ」は訳に反映させる
たとえば「so~that…」構文なら「とても~なので…」、「too~to…」なら「あまりに~すぎて…できない」という訳の型をそのまま訳に反映させましょう。ここを外すと「構文わかってないな」と思われて減点されやすいです。私分かってますから!!とアピールすべきところです。
2.主語と述語の対応を崩さない
意訳するときも、「誰が・何をした」の関係は保ちましょう。これが崩れると、大幅減点になることがあります。
3.単語の訳は正確に
「important」を「大事」と訳すか「重要」と訳すかは大差ありませんが、「必要」と訳したら意味が変わってしまいます。単語レベルでの誤訳には気をつけてください。
ちなみに、採点をしていると「なんとなく雰囲気で訳してるな」というのは一目でわかります。構文を無視した訳は、たとえ日本語として自然でも減点対象になるんですよ。意訳しておけば曖昧でも大丈夫だろう、と思う人がいるかもしれませんが、先生にはばれますからね!
英語は「コミュニケーションの道具」だから「きちんと伝える」が第一
・基本は直訳ベースで、構文・文法の理解を示す
・日本語として不自然な場合だけ意訳する
・無生物主語、関係代名詞、比較表現は意訳が必要になりやすい
・構文の「キモ」になる部分は型どおりの訳を使う
・迷ったら「直訳→日本語チェック→必要なら修正」の手順で
和訳問題は、英文の意味がわかっていても訳し方で損をすることがあります。逆に言えば、訳し方のコツを知っているだけで点数が安定するんです。コツをつかんで、確実に得点につなげていきましょう。


